
沖縄の生き物の魅力をNHKで放送中!
自然の大切さや面白さを知ると、沖縄の自然がもっと好きになる!
放送番組:沖縄ちゅらテレビ
放送日時:毎週金曜日 11時40分~正午
※放送スケジュール等の都合により、放送日が前後する場合がございます。


タイトル:ちゅらら
『ちゅらら』は、絶滅が危惧される沖縄の植物、
『リュウキュウベンケイ』を品種改良したものです。
リュウキュウベンケイは、
冬に菜の花のような黄色い花を咲かせる植物ですが、
沖縄ではもともと数が少なかった上に
開発の影響もあり、絶滅の危機に瀕しています。
「リュウキュウベンケイの存在を
多くの人に知ってもらい、みんなで守っていきたい!」
沖縄美ら島財団では、地域の住民とともに
リュウキュウベンケイの保全活動を始め、
沖縄に残された数少ない株から、数を増やすことができました。
さらに、千葉大学と共同で
切花として身近に楽しめる品種の開発に取り組み、
10年の歳月をかけて『ちゅらら』が誕生したのです。
『ちゅらら』は、花の色がカラフルで
水が無くても長持ちするという特徴があり、
様々な産業利用が期待されています。
失われつつある植物が、私たちの生活を豊かにしてくれる。
いきものを大切にする意味を『ちゅらら』は教えてくれます。
海洋博公園では、3月31日(金)まで
「第18回 美ら海花まつり」が開かれており、
『ちゅらら』も展示されています。
過去のメッセージ一覧


















アカウミガメ
ハート型の甲羅と、体のわりに大きな頭部が特徴です。
IUCN(国際自然保護連合)のレッドデータにも掲載され、絶滅が危惧されています。
北太平洋では、日本が主な産卵場になっています。
屋久島を中心に、南西諸島から本州にかけて産卵が確認されていますが、国内での産卵上陸頭数は1990年から減少傾向が続いています。
沖縄美ら海水族館では1995年にはじめて繁殖に成功。2017年と2022年には、水族館生まれのアカウミガメが生んだ、卵のふ化にも成功しました。また、1980年代に美ら海水族館が放流した仔ガメがアメリカ西海岸で発見され、太平洋を横断することが初めて証明されました。

ジンベイザメ
世界最大の魚類で、大きいものでは14mにまで成長します。
プランクトンなど小さなエサしか食べない大人しい性質から、「Gentle giant:温和な巨大生物」と呼ばれ親しまれています。
世界の海を広く回遊することが知られており、沖縄の海には5月~8月の温かい季節にやってきます。
世界で最も長い飼育に成功しているオスの「ジンタ」は、27年前に4.6mの大きさで水族館にやってきて
今では8.8mにまで成長。
最近では目を守るためのウロコが眼球に生えていることや、立ち泳ぎしながらエサを食べるための浮力のコントロール方法など、ジンベエザメの生態解明にも大きく貢献してくれています。

やんばるの生き物たち
去年、奄美大島や西表島と共に世界自然遺産に登録された「やんばる」には、亜熱帯照葉樹林と呼ばれる森が広がっていて、有名なヤンバルクイナをはじめ、世界でここにしかいない、希少な動植物が生息しています。
クロイワトカゲモドキはヤモリの仲間で、主に夜活動します。空が木々で覆われているような森を好んでおり、山が切り開かれてしまうと姿を消してしまいます。沖縄美ら海水族館では、去年初めて繁殖に成功しました。
オキナワイシカワガエルもやんばるだけに分布している固有種です。奄美大島のアマミイシカワガエルは、以前は、沖縄と同じイシカワガエルとされていましたが、2011年に別の種となりました。
他にも、大きなサワガニやカエルなどが活発に動き回り、やんばるの夜は、とてもにぎやかです。
世界自然遺産に指定されたことで、関心が集まっていますが、オーバーツーリズムの問題などもあり、豊かな自然を次世代へ繋いでいくために、上手な付き合い方を、みんなで考えていきましょう。

ブダイの仲間
沖縄で見られる色鮮やかな熱帯魚の代表格。
方言ではイラブチャーと呼ばれています。
古くから海産物として利用されていて、
沖縄本島の貝塚から出土した魚類のうち
ブダイの骨が5割以上を占めていたほどです。
オウムを連想させるくちばし状の歯をもっていて
英語では、パロットフィッシュとよばれています。
この板状になった歯でサンゴの間に生えた藻を
岩ごと削り取って食べています。
削り取った岩は、喉の奥にある
第2の歯「咽頭歯」で細かくすりつぶされ
消化、吸収されます。
ちなみに、すりつぶされた岩は
糞(フン)として排出され、
サンゴ礁の浅瀬に広がる白い砂の形成に一役買っています。
1mほどの大型のブダイは
年間5トンの砂を作り出すとも言われています。
ブダイのなかまは、
成長したメスがオスへ性転換したり、
分泌した粘液で
自身を繭のように包んで眠ったりと、
ユニークな生態がたくさん。
ただ、長期飼育が難しいため、
美ら海水族館では、沖縄に生息する様々なブダイを
展示できるよう現在も試行錯誤中です。

ヒレタカフジクジラ
名前に「クジラ」と付きますが、
全長50㎝ほどの小さな「サメ」の一種です。
沖縄では、水深500~600mの深海に生息しています。
大きな眼や黒い体から、不気味な雰囲気がありますが、
藤色の光沢が体表に見えたり隠れたりする
美しさも備えたサメです。
サメでは珍しく、体に発光器を持っていて
「光るサメ」として知られています。
腹部や尾びれなど様々な部位が青く発光するものの、
その光にどのような役割があるのか
十分にわかっていません。
沖縄美ら海水族館では、サメの子宮内環境の解明や
赤ちゃんの育成を目的に「サメの人工子宮装置」を開発しました。
この装置を用いて、困難であった本種の飼育に
世界で初めて成功しました。
深海で暮らす光るサメを
間近で観察できるようになったことで
生態の解明につながると期待されています。

オキゴンドウ
世界中の温かい海に生息するハクジラの仲間で、
IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストにも掲載されている希少種です。
全身はほぼ黒色、大きな丸い頭が特徴です。
オスは最大で体長およそ6m、体重2トンにもなります。
沖縄美ら海水族館では
これまで3例の繁殖、育成に成功し、
いまは、今年7月に1歳を迎えた子供の様子を見ることができます。
沖縄美ら海水族館で
最も長く飼育されているのは「ゴンちゃん」です。
今年で飼育年数40年目を迎え、
オキゴンドウの世界最長飼育記録を更新中です。
飼育48年目となるミナミバンドウイルカの
「オキちゃん」と一緒に、今もイルカショーで活躍しています。
健康の秘訣はイルカショーで良く動き、
よく食べることなのかもしれません。
飼育40年目を記念して、
12月からのイルカショーでは、
ゴンちゃんが主役となる「Winter Show」が
開かれています。

アオウミガメ
アオウミガメは、世界中の温暖な海に生息していて
成長すると甲羅の長さが1メートル、
体重150kgほどになります。
沖縄の砂浜では
6月から8月に産卵がみられます。
メスは一度に100~120個の卵を生み、
それをおよそ2週間おきに3~4回繰り返します。
砂の中に産み落とされた卵は
自然の温度で温められ、産卵からおよそ2か月後に孵化します。
今年はじめ、
沖縄美ら海水族館近くの砂浜で珍しいことがありました。
2月4日と3月9日に、アオウミガメが産卵にやってきたのです。
この時期の砂の中の温度は低く、そのままでは卵内の胚が全て死んでしまいます。
そこで全ての卵を保護し、
水族館の孵卵器内で人工孵化を行いました。
その結果、4~5月にかけて64匹の仔ガメが孵化しました。
その後、半年ほど育てて、
全ての仔ガメを産卵のあった砂浜近くの海上で放流することができました。
沖縄美ら海水族館では、
これまで培った飼育や健康管理技術を生かして、
ウミガメ類をはじめとした絶滅危惧種の保護活動を続けていきます。

サンゴ
沖縄の島々の周りに広がる透明に澄み切ったサンゴ礁の海。
そこには陸の熱帯雨林に匹敵する生物多様性があります。
その立役者となっているのがイシサンゴの仲間です。
イシサンゴの複雑で丈夫な骨格は
様々な生き物たちの隠れ家や生活の場となっています。
イシサンゴの中で一風変わった生き方をしているのが
マルクサビライシという、姿かたちはまるでキノコのようなサンゴ。
しかし立派なイシサンゴの仲間でしっかりと骨格が中にあり
持ってみるとキノコと違い、固くずっしりと重みがあります。
今、世界のサンゴ礁のおよそ75%が
消滅の危機に瀕していると言われています。
沖縄美ら海水族館では、今年度から水槽内で産卵した卵を赤ちゃんになるまで育てて
海に返すという取り組みを始めました。
今年はおよそ56万匹の幼生が水族館前の海に帰っていきましたが
生き残るのはその中のほんのわずかだと考えられます。
また、海の環境が整っていないとサンゴは育つことはできません。
沖縄のサンゴ礁も中規模以上の環境ストレスを受ける頻度が高まっています。
原因はさまざまですが、その多くが私たちの陸上生活による
海洋環境の変化だと考えられています。

コトクラゲ
沖縄の深海底に暮らす、有櫛動物(ゆうしつどうぶつ)の仲間です。
色とりどりな見た目をしていて
サンゴなどに付着して生活しています。
コトクラゲは一般的なクラゲと違い「毒針」を持っていません。
その代わりに、長さ1m以上にもなる、ペタペタとした粘着質の触手を使い、
海中を漂うプランクトンなどを捕まえています。
コトクラゲは体がとても脆く、
しかも深海に棲んでいるため、生きた姿はなかなか見られません。
沖縄美ら海水族館では、コトクラゲの飼育下での繁殖に成功し、
今では、たくさんのコトクラゲを観察することができます。
生まれた直後は2mmほどの大きさで、
海中を漂うプランクトン生活を送ります。
5cmほどに成長すると、大人と同じ着底生活を送るようになります。
美ら海水族館では、今後も深海生物の飼育に取り組み、
自然下では観察することのできない、生態の解明に挑んでいくことにしています。

アフリカバオバブ
アフリカ大陸のサバンナに広く分布していて、
現地では高さ20m、樹冠が10mを超える巨木です。
この木の名前を有名にしたのは
『星の王子様』の物語ではないでしょうか。
王子様の小さな星をあっというまに占領してしまうバオバブ。
そんな物語を聞いて、ちょっと恐ろしく感じた人もいたかもしれません。
実際のバオバブはとても役に立つ木で、様々な活用方法があることから
アフリカでは「宝の木」と呼ばれています。
熱帯ドリームセンターで展示しているアフリカバオバブは、
1979 年にインドから持ち帰った種を発芽させ、
1998 年9
月27日に日本で初めて花を咲かせました。
翌年1999 年には人工受粉により7.8cm の実がみのり、
日本初の快挙として大きく報道されました。
現在では高さ約7m、樹冠は約5mの大きさになり、
今年はこれまでに花が11個、つぼみが3個確認されています。
アフリカバオバブの花は、毎年8月から12月まで見られます。
花は夜咲いて翌日の昼ごろまで見られますが、あとはしぼんでしまいます。

アフリカバオバブ
アフリカ大陸のサバンナに広く分布していて、
現地では高さ20m、樹冠が10mを超える巨木です。
この木の名前を有名にしたのは
『星の王子様』の物語ではないでしょうか。
王子様の小さな星をあっというまに占領してしまうバオバブ。
そんな物語を聞いて、ちょっと恐ろしく感じた人もいたかもしれません。
実際のバオバブはとても役に立つ木で、様々な活用方法があることから
アフリカでは「宝の木」と呼ばれています。
熱帯ドリームセンターで展示しているアフリカバオバブは、
1979 年にインドから持ち帰った種を発芽させ、
1998 年9
月27日に日本で初めて花を咲かせました。
翌年1999 年には人工受粉により7.8cm の実がみのり、
日本初の快挙として大きく報道されました。
現在では高さ約7m、樹冠は約5mの大きさになり、
今年はこれまでに花が11個、つぼみが3個確認されています。
アフリカバオバブの花は、毎年8月から12月まで見られます。
花は夜咲いて翌日の昼ごろまで見られますが、あとはしぼんでしまいます。

サンダンカ
中国や東南アジア、太平洋諸島におよそ400種あるといわれるサンダンカ属の植物の一つです。
沖縄でも古くから栽培され、16世紀に書かれた「中山(ちゅうざん)花木図(かぼくず)」にも、琉球の植物12種の一つとしてサンダンカが描かれています。
太陽に映える鮮やかな朱色の花を咲かせることから、デイゴ、オオゴチョウと並び沖縄の三大名花と呼ばれています。
開花期が長く、道路や公園をはじめ一般家庭にも多く植栽され、都市緑化植物として広く普及しました。
サンダンカの仲間は、葉が小型で花が密に咲く“コバノサンダンカ”や、花序の大きい‘スーパーキング’、強い芳香をもつ“ニオイサンダンカ”など、多くの種類が沖縄に生息しています。
オオゴチョウ
デイゴやサンダンカとともに沖縄の三大名花と呼ばれる花ですが、
あまりなじみがないかもしれません。
オオゴチョウは3m程度の低木で、
8月~12月ごろ濃いオレンジの花を次々に咲かせます。
一つ一つの花をよくみると、
オレンジの花びらは黄色のフリルでふちどられ、
花の中心からおしべが長く伸びている様子がとても華麗です。
オオゴチョウの学名「pulcherrima」(プルケリマ)にも
「非常に美しい」という意味があります。
一説によると、沖縄には
尚巴志王の時代に移入されたとされています。
オオゴチョウには濃いオレンジ色の花の他に、
黄色の花が咲くキバナノオオゴチョウやピンクの花が咲く品種があります。
丈夫で育てやすく、花の咲いている期間も長い、
もっと有名になってもいい花です。
熱帯ドリームセンターでは
黄色とオレンジの鮮やかなオオゴチョウが咲いています。

トックリキワタ
沖縄の街路樹として定着していますが、
ブラジル、アルゼンチン原産の
高さ15メートルほどになる落葉高木です。
幹の途中が膨らんだ独特な形から
スペイン語圏では「酔っぱらいの木」を意味する
「パラボラッチョ」と呼ばれています。
「トックリキワタ」という名前は
お酒を入れるトックリに似ていて、
綿の入った果実ができることからつけられました。
沖縄では9月から12月にかけて
淡紅色から赤紫色の10センチほどの大きな花が樹幹一面に咲きます。
トックリキワタの種子は大量の綿に包まれているため、
ふわふわと空中を漂いながら広範囲に散布されます。
沖縄にトックリキワタが入ってきたのは
1964年のことで、沖縄県出身で農業技術者でもある
天野鉄夫氏が、ボリビアから種子を持ち帰ったのが最初です。
熱帯ドリームセンターにも
植えられてから30年以上経つ大きなトックリキワタや、
葉に白い模様が入る斑入りの
珍しいトックリキワタが植えられています。

コチョウランの仲間
ランには様々な品種がありますが、
コチョウランは、誰もが知っているランではないでしょうか。
コチョウランの仲間を指す学名の
ファレノプシス(Phalaenopsis)は
ギリシャ語のpharaina(ファラエナ:蛾)と
opsis(オプシス:~に似る)という意味の合成語です。
日本でも、花の形が羽を広げた蝶のように見えることから、
コチョウラン(胡蝶蘭)という名前が付けられました。
東南アジアなどの亜熱帯地方に
およそ50種の原種が知られていましたが、
現在は、白やピンク、黄色や紫など様々な色、
ストライプや斑点の模様を持つ種類など、
たくさんの交配品種が生み出されています。
ランの中でも開花期間が特に長く
二か月以上咲き続けるものもあり、
お祝い用として人気があります。
「末永く」の意味も込めて
コサージやブーケにも利用されます。
花言葉は「幸福がとんでくる」。
また、花の色ごとに「純潔」「あなたを愛しています」等の
花言葉もつけられているので、
お祝いのシーンに合わせて、気持ちを込めて贈るのもいいですね。
海洋博公園熱帯ドリームセンターでは、
11/12~11/20の間、沖縄国際洋蘭博覧会が開かれます。
ファレノプシスをはじめ
国内外から出展された様々なランが展示されています。

ハイビスカス
南国沖縄といえば、
青い海とハイビスカスをイメージする方も多いはずです。
ハイビスカスは熱帯・亜熱帯地域に生育するアオイ科の植物で、
原種だけでもおよそ250種が知られています。
沖縄でよく見かける赤やピンクの、花の大きなハイビスカスは
原種をかけ合わせて作られもので、
5,000以上の品種があるといわれ、色も形もバリエーション豊富です。
ハイビスカスの品種には大きく分けて、3つのタイプがあります。
交配された年代が古い品種のオールドタイプには、
花びらの外側がピンク、中が白い「やんばる姫」などがあります。
沖縄でもよく見かけるフウリンブッソウゲを元にして
交配された品種のコーラルタイプは、
花弁の縁に切れこみが入り、フリルのような咲き方をするものが多くみられます。
ほとんどがハワイで品種改良され、多くの品種があるハワイアンタイプには、
「バレンタインズデイ」や「ウォールフラワー」という品種があります。

ツバキ
ツバキ属はおよそ250 種が報告されており、
すべてが東南アジアの亜熱帯から温帯の
雨量が多い地域に分布しています。
沖縄には、ヤブツバキ、サザンカ、ヒメサザンカの
3種が自生しています。
ツバキの仲間の多くは酸性の土壌を好むため、
強い酸性を示す国頭マージ土壌の本島中北部でよく見られます。
沖縄の七名花(ななめいか)は、
名護市や沖縄市、石垣島や久米島など
県内で見つかった個体から選抜、沖縄椿協会が発表したものです。
王女を意味する「うみないび」や、地名に因んだ名前などからも
沖縄らしさが感じられます。
沖縄では、琉球王国時代から
ツバキが様々なところに登場しており、
琉球王国時代に作られた円覚寺の放生橋の欄干や
玉稜(たまうどぅん)のレリーフにもツバキが刻まれていました。
他にも、琉球漆器には、
松竹梅、牡丹、菖蒲などと共に
ツバキも子孫繁栄や厄除けを象徴する吉祥紋として描かれています。
王家や士族の間で発展した紅型には
鳳凰や龍といった中国の吉祥文様とならんで
松竹梅や桜など日本的な文様が描かれ、
ツバキが描かれている紅型も残されています。
ツバキは首里の庭園でこぞって栽培され、
「首里の士族に最も愛された花」とも言われました。

チューリップ
チューリップといえばオランダをイメージする方も多いかもしれません。
原産地は、南ヨーロッパから中央アジア、
黒海とカスピ海に挟まれたコーカサス山脈までの
広い範囲で120種が自生しています。
オランダへは16世紀頃に持ち込まれ、
現在では世界の生産量の大半を占めるまでになっています。
交配により次々と新しい品種が生み出され、
オランダ王立球根生産者協会に登録されている品種は
2018年時点でおよそ6,500種にも上り、
咲き方や開花時期、花弁の形などから
「八重早咲き系」、「ユリ咲き系」など、15系統に分類されています。
チューリップが花を咲かせるには、
球根の時に十分な低温に当てる必要があります。
沖縄以外の都道府県では
土に植えた後に冬の寒さを受けて
開花するのが一般的ですが、
冬に10度を下回ることの少ない沖縄では
この方法でうまく開花させることができません。
熱帯ドリームセンターでは
チューリップの生産地と連携して、
沖縄の気候に適した品種を低温処理して、産地から直送することで
露地植えでも大規模なチューリップ畑を
楽しんでいただけるようになりました。
沖縄に向く品種のデータが集まり
暑さに強い品種などが開発されれば、
沖縄でも、もっと身近にチューリップ畑が
見られる日が来るかもしれません。

ちゅらら
『ちゅらら』は、絶滅が危惧される沖縄の植物、
『リュウキュウベンケイ』を品種改良したものです。
リュウキュウベンケイは、
冬に菜の花のような黄色い花を咲かせる植物ですが、
沖縄ではもともと数が少なかった上に
開発の影響もあり、絶滅の危機に瀕しています。
「リュウキュウベンケイの存在を
多くの人に知ってもらい、みんなで守っていきたい!」
沖縄美ら島財団では、地域の住民とともに
リュウキュウベンケイの保全活動を始め、
沖縄に残された数少ない株から、数を増やすことができました。
さらに、千葉大学と共同で
切花として身近に楽しめる品種の開発に取り組み、
10年の歳月をかけて『ちゅらら』が誕生したのです。
『ちゅらら』は、花の色がカラフルで
水が無くても長持ちするという特徴があり、
様々な産業利用が期待されています。
失われつつある植物が、私たちの生活を豊かにしてくれる。
いきものを大切にする意味を『ちゅらら』は教えてくれます。
海洋博公園では、3月31日(金)まで
「第18回 美ら海花まつり」が開かれており、
『ちゅらら』も展示されています。